毒を吐く準備はいいか?
仕事中は愛想良くしている方の私ですが、自分のブログの中でくらい正直に話してみてもいいんじゃないかと思いやした。
ということで今日は、SIerの嫌なところを記事にしました。
私は現場配属から1年未満のSIer社員ですが、働く中でどうしても見過ごせないモヤモヤが積もってきたので、今日はその“SIerの嫌なところ”について全力で書いていきます。
大事なこと
大事なことなので最初に言っておくと、以下は全て自分もやった経験を元に話をしています。
SIer社員として働く中で歪んでいった自分の問題点を洗い出し、改善するのが本記事の一番の目的です。
別に誰かを責める話ではないという点をご理解ください。
SIerの嫌なところを暴露:現場で感じた5つの問題
1. 上司には丁寧、パートナーには雑
上司のチャットにはすぐ返信、丁寧な回答。 パートナー企業の人からのチャットは1週間未読、既読スルー、重要な報告を未読されたパートナー会社がリマインドを送ったら、 「もっと早く相談してくださいね(←何様?)」。
打ち合わせには遅刻しても悪びれず、パートナー相手に資料なんて作らない。 口頭で適当に指示して、結果うまく伝わってなかったらパートナーを詰める。 パートナーの作業については一々エビデンスを求める癖に、自分の作業にはエビデンスなんて残さない。 それでなんか問題があっても、「すみません」で終わり。 同じミスをパートナーがやったら、100%詰める。
チャットじゃなく、まず電話。電話って相手の時間を奪う手段ですよ? 急ぎの要件なのはわかるけど、いつもそうならそれはもはや怠慢。 上司にはスケジュール調整してから会話するくせに、パートナーには所構わず、定時後でも電話突撃。 舐めてるとしか思えない。
自分の指示が雑だったとは反省しない。
ミスしたパートナーには「対策書出してください」、自分のミスはなんかヘラヘラしながら「すみません」で終わり。
これが現場の“あるある”だとしたら、ちょっと狂ってないですか?
2. 進捗管理しかせず、課題解決は丸投げ
実作業中に課題が発生すると、パートナー会社の人は相談に来てくれます。
その時、SIer社員が言うことは大体こうです。
「で、いつ解決できそう?」
「進捗出てる?」
「いつ終わるのかスケジュール教えて」
マジで何のためにプロパ社員って存在するねん。
まあSIer社員には課題解決する力はないので、言えることなんていつできる?なんですよ。 システムの技術的なことはよく分からんので。
この進捗管理に徹底するマインドは、SIer歴長くなると多分染み付いてくるんだと思います。 ただ、健全な大学時代を送ってきた自分としては、課題を相談されたらまず課題解決方法を考えてしまいます。 でもそれだとSIer初心者です。
一流のSIerは課題自体は問題視せず、
- ①いつ終わるのか
- ②その課題解決に時間がかかる場合、どのような影響があるのか
だけを気にします。
②番目の項目は、所謂「リスク管理」と言われるタスクです。
そして、どのような影響があるのかも含めて自分では調査せず、パートナーにやらせることすらあります。
パートナーとしては課題を相談したはずなのに、追加で別の仕事を依頼されるしまつ。 そんな状態で積極的に相談してくれるパートナー社員なんていなくなるに決まってるやろ。 馬鹿馬鹿しすぎる。
まあその結果、最終的に悪い内容の報告が上にエスカレーションされず、PJがこけるんだと思いますが。
補足:質問詰めタイプについて
上記のような全て丸投げパターンも多いですが、もう一つのパターンとして「質問詰めタイプ」というものがあります。 ちょっと分かりやすくするために、例え話を出します。
たとえば、サーバ(EC2)に繋がらないっていう課題が発生したとする。
パートナー側がいろいろ調査した上で「原因が不明です」とプロパに相談したときの、よくあるやりとりがこれ:
※ここでは、プロパ社員とは、SIer側の社員を指すとします。
プロパ: どんな調査をしましたか?
パートナー: まずEC2を再起動しましたが、解決しませんでした。 その後、ssh -vvvでどこで止まっているか確認したところ、接続中のままで止まっています。プライベートキーの問題ではなさそうです。
プロパ: ssh -vvvって何が見れるんですか?あと、プライベートキーって何ですか?そもそもEC2に接続する仕組みってどうなってるんですか?
パートナー: (心の声:え、そんなことも知らんのか…)えーと、それはですね…. プロパ: じゃあ、課題は◯◯にありそうですね。◯◯を調べたらいいんじゃないですか?
パートナー: それは分かってます。その上で、どこに問題があるかが分からないから聞いてるんです。
プロパ: sshの接続っていうのはつまり〜という流れなわけですよね?であれば、原因は△△か□□のどちらかです。それを調査するしかないんじゃないですか?
パートナー: (心の声:いや、それ俺がさっき教えたやつな)わかりました、調査します。
…伝わりましたかね?
こうやってまともで自分で調べずに、めちゃくちゃ質問するパターンです。
Web系だと、基本自分で調べるっていうのが業界のマナ-だと思うんですけど、SIerだとその感覚があまり強くないです。
プロパはパートナーの時間を奪ってるという感覚が薄すぎる。
そして、パートナーもそれを感じていくうちに、プロパ社員に丁寧に教えてあげようなんて思わなくなっていきます。
なので、最終的にはこう言うんです:
「この対応には工数がかかります」
「ここは対応できません」
それに対してプロパは、
「この計画は変更できません」
「変更が必要なら事前に相談してください」
…って、いやいやいや、 パートナー側のリソースを奪ったのは誰だよって話ですよね。
プロパ側の自分から見ても、プロパ社員の言うことに筋が通ってない。 パートナー側であれば、腹立つに決まってる。
脱線だけど言いたいこと
あと、脱線になるんですが、 パートナー社員が「事実だけを伝える」ことは全く問題ないし、それが最適解だと思います。
でも、「意見を言え」って言うプロパが一定数いるんですよね。 で、意見を言ったら言ったで、あとで
「前に◯◯って言いましたよね?」
みたいに、その人を戦犯扱いする。 こんなんじゃ、誰が素直に意見出すかよ。
3. 人は“弱い方”を叩く構造
SIerの現場にいると、よく目にする光景があります。
上からきつく詰められると、その人が今度は下に強く当たる。
立場が上の人には弱く出るのに、立場が下のパートナー企業や協力会社には強気になる。
よくあるフレーズはこんな感じです。
- 「パートナー側の作業遅れです」
- 「こちらでは分かりかねますので」
- 「もっとスピード感を持って対応してほしい」
一見すると正論っぽいですが、実態はただの「言いやすい相手を責めてる」だけ。
責任の所在や理屈ではなく、“上に怒られたくない”という感情が先に立っているんです。
こうなると、下請けやパートナー企業ばかりに負担が集中します。
本来はプロジェクト全体の課題なのに、立場が弱い人だけが矢面に立たされる。
これがSIer業界のストレス源であり、不公平さを生む原因のひとつだと思います。
4. パートナーを大事にする人ほど評価されない
ちゃんと依頼内容を整理して、パートナー企業と丁寧に調整して、 タスクレビューもやって、感謝の気持ちも忘れずに仕事をする。 …そんな人、進捗が遅れるから評価されません。
一方で、仕事を雑に無茶振りしてガンガン進めて、納期さえ守ってれば、多少荒っぽくても「優秀」扱いされる。 この構造、ほんとに地獄じゃない?
自分がハードワークして評価されるのは置いといて、人にハードワークを命令してやらせて評価上がるって、、、。 優しい人が損をする社会を字でいくのがSIerなのかな。
5. 自己肯定感が削られていく職場環境
ここまでいろいろ書いてきたけど、なによりツラいのは「自分もそういう立場にいる」という事実。 自分が雑に扱われるのも嫌だけど、気づけば自分も誰かに無茶を言ってるかもしれない。
上から言われたからパートナーに投げた。 自分で判断できないから、中身のないレビューだけした。 でもそれって、「誰かを下請けとしてしか見てない」構図の一部になってるんじゃないか。
そんな環境で働いていて、自己肯定感なんて上がるわけがない。
この業界で思うこと(若手SEの視点)
新卒からパートナー企業に指示を出す立場にいると、 本当に“人に依頼して仕事をしてもらう”という感覚が崩壊してきます。
年齢もスキルも自分より上の方に指示して、成果物のレビューをして、 最終的に「納品物が悪い」「品質が低い」とか言ってしまう。
もちろん、プロパ社員にも悩みがあるのはわかる。 タスク調整、要員アサイン、責任の所在、リスク管理、報告業務、自分より立場が上のプロパ社員からの詰め…。
でも、それと「相手へのリスペクトがない」は別の話。
パートナーに丸投げして、進捗だけ聞いて、問題が出たら「品質が悪い」と言う。 それでいて、「ありがとう」は言わない。
この構造が当たり前になっている現場に、ものすごい違和感があるんです。
まだ1年未満の自分だからこそ違和感を覚える?
もしかすると、社会人として何年もこの業界にいたら、 こんなこと、当たり前になってしまうのかもしれない。
違和感を感じていた自分が「甘い」と言われるようになるのかもしれない。
でも、それでも言いたい。
感謝くらい言おうよ。
仕事だからって、ありがとうの一言を省いていい理由にはならないと思うんです。
似たような構造は他業界にもある:
- 広告業界のクライアントワーク(代理店 vs 制作会社)
- 建設業界のゼネコンと下請け
- 物流業界の荷主と配送業者
つまり、“上流・下流”の関係性が固定化された業界では、程度の差こそあれ似たような現象が起こり得ます。
ただし、SIer業界が特に厄介なのは:
- 下請けに丸投げしてるのに、その実態を上には隠す(or スケープゴートにする)
- 下請けと実質チームなのに、あくまで外注扱いして線引きする
- 管理が目的化して、“責任回避が業務”になることがある
この構造が「性格が悪くなる」要因になっているとしたら、それは業界のせいというより、構造の使い方が悪いのかもしれません。
終わりに:違和感を持てるうちに辞めないと
違和感がなくなるまでここにいるのはまずいなとだけ思っています! 以上、ありがとうございました