「大企業とベンチャー、どっちに行くべきか?」 就活中、誰もが一度は悩むテーマではないでしょうか。

私もその一人でした。 新卒時には、大手SIer、ベンチャー系のSIer、Webマーケ企業、自社開発企業など、いろいろな会社を見ました。

結果的に大企業(超大企業ではない)に入社しましたが、1年間働いてみて、大企業を選んで正解だったと思います。

この記事では、私自身の実体験をもとに、
大企業のリアルなメリット・デメリットと、どんな人に向いているのかを率直にお伝えします。

デメリットも正直に書きますが、私の結論は「大企業 > ベンチャー」です。

就活、転職活動で情報収集中の方のためになれば幸いです。

大企業で働くメリット

1. 安定と福利厚生の厚さ

まず実感するのは「安定」です。 入社前は「成長」や「挑戦」に気持ちが向きがちですが、 1年以上働くと生活の安定こそ精神的な余裕の源だと感じるようになります。

それにやはり大企業は以下のような特徴があります。

  • 給与が年齢とともに着実に上がる(例:新卒400万 → 20代後半700万 → 40代900万〜)
  • 有給を取りやすい部署も多い
  • 社宅・保険・持株会など福利厚生が充実している
  • 景気が悪くても倒産リスクが低い

特にIT業界ではAI・自動化など不安要素も多いですが、 大手企業は取引先同士で支え合う「経済圏」を持っているため、すぐに崩れないように感じます。 私が安心して副業や勉強、ブログなど“自分の活動”に時間を使えるのも大手だからというのが根底にあります。

2. 経験できる仕事の幅が広い

「大手はルーチンワークばかり」というのは半分正解で、半分間違いです。 確かに一部の業務は分業化されていますが、部署によっては想像以上に多様な業務に関われます。

たとえば

  • システム開発・設計
  • データ分析・AI活用
  • PMO(プロジェクト支援)
  • 自社プロダクト開発

など、関わる領域が幅広いです。

もちろんすぐに異動できるわけではありませんが、「こういう仕事をしたい」と発信していけば 、徐々にキャリアの方向を変えていけます。

大企業は内部留保と人材層が厚い分、挑戦の余地も広いのだと感じます。

大企業で働くデメリット

1. 意思決定が遅い

いちばん多くの人が感じるのがこれです。 何かを決めるにも、“伝言ゲーム”が発生します。

たとえば、開発中に仕様変更が必要になった場合、

「PG(Programmer) ↔️ SE ↔️ PL ↔️ PM ↔️ 顧客」 とやり取りがなされるので、対応に数日〜1ヶ月かかることもよくあります。

さらに、「立場が下の人」から「立場が上の人」への報告が不十分の場合、差し戻されるため、 再調査・再報告のループにもなります。 「なぜ大企業は動きが遅いのか」という問いの答えは、確認と承認の多さに尽きますね。

最初は非効率に感じますが、これも「大規模PJを安全に回すための仕組み」だと考えれば納得できます。 1年もいれば慣れます(笑) 報告する立場の時は、たまったもんじゃないですが

2. 確認作業が多く、成果が見えにくい

大企業では、過去の経緯やルールを丁寧に確認しながら仕事を進めるため、スピード感は犠牲になります。 過去の資料を読み返し、関係者にヒアリングして、ようやく80%の確信が持てたと思ったら「で、100%確か?」と詰められる。

「責任感が強い」と言えば聞こえは良いですが、スピード感重視の人にはストレスになる場面も多いです。 80%大丈夫そうだと思っても、残り20%を詰めるために色々な確認作業が求められます。

最初のうちは、「こんなことを確認するんじゃなくて、いち早くシステム改修した方が、絶対顧客のためになる」 なんて意識の高いことを思っていました。 が最近、「言われたことを淡々とこなしてお金をもらうのも悪くない」と考え方を変えることにしました。 こういうふうに思考を持っていくと、確認作業ばかりなこともストレスが軽減します。

そして、成果は副業で出せばいい。

大企業に向いている人・向いていない人

向いている人

まず結論から言うと、8割の人は大企業に行くべきだと思います。 理由はシンプルで、給与・待遇が高く、安定しているからです。 特にIT業界では、「安定した環境 × 成長できる余白」が揃っている大手は本当に強い。

✅ 特に向いているタイプ

  • 大学まで真面目に努力してきた層
  • 人生の目標とか明確に決まってない人(多くの人はそうだと思いますが)
  • 人間関係のギスギスが苦手な人(高学歴が多く、穏やかな人が多いです)
  • ネガティブな人(落ち込んだことがあっても、大手に所属していると思うだけで、気持ちが和らぐと思います。)

ここからは、私が1年半働いて感じた実体験です。

20代前半って、誰でも「成長したい」「挑戦したい」「大金持ちになりたい」って思う時期だと思います。 でも、20代も半ばに差し掛かると流石に現実が見えてきます。人生そんなにうまくいかないって。

もちろん私も将来独立する夢を諦めたわけではありませんが、成功する保証はどこにもないということが分かり始めています。 勿論、できる範囲でやり切るつもりですが、成功できるかは分からないです。。

そんな中ですよ、もし中小やベンチャーに入って、思ったように成長できなかったら? 30代でスキルも待遇も中途半端だったら? せっかく大学受験まであれだけ頑張ってのが水の泡じゃないですか?

一方で大企業に行った人は、悪くても30代で残業もそこそこで年収700〜800万を稼ぎながら、 社会的に意義のある仕事をして、穏やかにキャリアを積んでいけます。

と考えると、やはりリスクヘッジ(=後悔しないための保険的判断) の意味でも、大手に行くのが正解だと思うんです。 リスクヘッジは別に諦めの局地とかじゃないです。合理的に考え抜いた先の答えだと思うんです。

向いていない人

正直、よほど変わったタイプでない限り、大企業で困ることはありません。
ただ、それでもベンチャーに向いている人がいるのも事実です。

✅ ベンチャーに向いているタイプ

  • 本当の意味で、独創的な人
  • 中途で大手に行けるくらい、実力・実績のある人

一方で、次のような理由で「ベンチャーに行きたい」と思っているなら、もう一度考えてほしいです。

  • 成長したい
  • スピード感を重視したい
  • 裁量を持って仕事したい
  • 独立に向けてビジネスの全工程を学びたい

一見正しそうに聞こえますが、これらはすべて大企業でも実現できます。

たとえば——

  • 「成長がしたい」なら、大手でも間違いなく成長できます。周りにいるのは高学歴かつ人格者ばかりですよ?環境面でも申し分ないです。
  • 「裁量が欲しい」なら、PJで手を挙げれば任せてもらえます。
  • 「スピード感が欲しい」なら、副業や個人開発をすればいい。
  • 「成長したい」なら、定時後の時間を自分の投資に使えばいい。

仕事は自習時間ではありません。 会社に「自分を育ててもらう」発想よりも、“会社を使って成長する”くらいの気持ちでいた方が長く伸びると感じます。

💬 偉そうに言っていますが、私も大学時代は何もしていません。
それでも今こうして言い切れるのは、「大企業を選んでよかった」という実感があるからです。
あえて強めの口調なのは、「勢いだけでベンチャーを選んで後悔する人を減らしたい」一心です。

結論:迷っているなら、大手でいい

私は圧倒的に“大手派”です。 もちろんベンチャーにも魅力はありますが、 リスクヘッジ(=後悔しないための保険的判断)
錯覚資産(=“大企業にいる”だけで信頼を得られるブランド効果)
この2つの観点からも、大手を選ぶのが最善だと思います。

安定した環境で社会人としての土台を作っておけば、 その後、転職・独立・起業など、どんな選択肢も取りやすくなります。

焦らず、大企業という土台を活かすのも立派な戦略です。