
新卒でSIerに伝えたいSIerの業務内容について
投稿日: 2024-12-02 | カテゴリ: SIerSIerに新卒入社して8ヶ月ほど経過しました。実際に働き始めてSIerの実態が分かり始めてきたので、自分なりにまとめていこうと思います。 この記事の対象は、新卒でSIerの仕事内容について理解を深めたい人です。
SIerに勤めるSEの業務内容
まず前提ですが、SIerでの勤め方は大きく分けて営業とSEにわかれますが、SEの場合について話していきます。 そして、一口にSIerといっても会社や部署によって行う仕事が大きく異なります。
大学生の時は、大規模案件とか官公庁向けシステムとか、誰相手の仕事かということに目を引かれることが多いと思うのですが、入社してみると何をするかの方が断然重要だと気づいたのでその観点で仕事を分類すると以下のようになります。
- 既に開発済みのシステムの保守
- 他社SIerの開発・保守にSESやPMOとして参加する請負契約
- 開発するシステムのインフラ整備
- リリース済システムの改良
- 社内の研究所
- 新システムの開発
- 自社SaaSの開発
既に開発済みのシステムの保守
SIerでの花形と言えば、新システムの開発のPMとかでしょうが、そもそも新システムの開発というのは珍しい仕事だと思います。 (だからこそ花形なのかもしれませんが)
最も多いのがおそらくシステムの保守です。これはどういう仕事かと言うと、既にリリースしたシステムの不具合の連絡を受けて修正したり、法律変更に伴いシステムを変更するというものです。消費税率変更になると、キャッシャーの内部の計算方法を変える必要がありますよね。大体そういうイメージです。
そんなの一瞬じゃない?と思う人もいると思うのですが、システムの規模が多いほどシステムの修正は難しいのでそれなりに時間がかかるのです。
保守の辛いところが、言われた通りにシステムを改修する必要があることだと思います。つまり、保守をしていると「もっとこうしたら良いのに」とか思うことが多々ありますが、 そんな意見は通りません。とはいえ、システム開発の勉強にはなるので最初に経験する開発工程としては十分ありだと思います。
他社SIerの開発・保守にSESやPMOとして参加する請負契約
これは所謂、客先常駐というやつです。でも客先常駐といっても色々で、完全な作業者(コードを設計書字通りに書く人)もあれば、 PMOという作業者を管理するマネジャーとしての仕事もあります。おそらくどんなSIerでも一部の部署では、請負契約をしている場合があると感じます。 客先常駐という言葉を聞くと毛嫌いする人もいますが、仕事によりけりなので「客先常駐だから嫌」と言うのは違うかなと思います。 (まあ勤務場所が不明な客先常駐とかは嫌ですけどね!)
開発するシステムのインフラ整備
これは大手SIerとかではあると思います。新卒時は保守とインフラって同じじゃないと思っていましたがこれは大きく違います。 保守はリリース済みのシステムの修正を指し、インフラとはシステムのネットワーク周りや物理的な機器の保守を指します。
大手SIerとかはデータサーバーとかを保持している場合があり、ネットワーク構築を0からやっているので、それに付随する仕事もあります。
リリース済システムの改良
これも大局的に見ればシステム保守の一環かも知れませんが、システムの改良PJという仕事もあります。 小さな規模から大きな規模の改良まであるので一概には言えませんが、 SIerといって思い浮かべる仕事(要件定義→設計→開発→テスト→保守・運用 みたいなやつ)ができると思います。
社内の研究所
NTT dataが有名だと思いますが、社内に研究所をもつSIerもあります。私自身、研究所で何をしているのかは不明ですし、 わざわざ新卒で狙う仕事でもないと思うので詳細は省きます。
新システムの開発
これこそSIerと聞いて、新卒がイメージできる仕事まさにそのものです。営業やPM層が顧客と要件定義を行い、SEが設計以降を行うというやつです。 ですが、意外とこの仕事って少ないんじゃないかなと思います。少なくとも私の勤め先では、保守がメインで開発に携われる人は少なかったからかも知れません。
自社SaaSの開発
これをやり出す企業は最近増えてきたと思います。SCSKとかも自社サービスに今後力を入れていくと言っていた記憶があります。 新卒でこれをやりたい場合は、普通にWeb系に行った方が良いので、わざわざSIerに就職してまで狙う仕事ではないかなと思いました。
まとめ
以上が、SIerで働き始めた身としてのSIerの業務内容についての所感でした。 私が新卒就活時は、独立系SIerとかユーザー系SIerとかの分類方法を用いた説明しか聞いてこなかったです。 しかし、そういう分類よりもどんな仕事をしているのかを把握する方が大切だと思うので、就活生の方は自分が保守をやりたいのか開発をしたいのか、 インフラをやりたいのか、新システムの立ち上げをやりたいのかを自己分析して、就活に臨むと良いのではないかと思いました。
以上、ありがとうございました。