
SIerにITスキルが要らないと言われる理由
投稿日: 2025-04-20 | カテゴリ: SIerSIerに入社して2年目になりました。 ウチの会社は8月頃に新入社員が配属されるため、新入社員には会ったことがないため実感が湧きにくいですが 笑 1年目を振り返ると、色々頑張る気でいましたが忙しいのを言い訳にしてあまり自己研鑽に励むことができませんでした。毎年言ってる気がしますが、今年ことは!と気持ちを入れ直して頑張ります
前置きが長くなりましたが、本記事では「SIerにITスキルが要らないと言われる理由」について話していこうと思います。
SIerにITスキルが要らないのは本当なのか?
結論、新卒時点では0でも良いのだと思います。
これを説明する前に、開発フェーズ及びSIerの業務内容につfいてまず説明します。
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案件獲得 「案件」とは、システムの新規開発や既存システムの改修のことを指します。 ここでは、例として「既存システムの改修」を取り上げます。 たとえば、「記事のヘッダーに三点リーダー(…)を追加し、記事の種類ごとにページを切り替えられるようにする」といった内容です。 ※「案件」と聞くと大きなプロジェクトを想像するかもしれませんが、小さな改修でも案件と呼ばれます。
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仕様書作成 仕様書とは、お客様の要望(=案件の内容)を言葉で具体的にまとめた文書です。 ポイントは、「開発に関わっていない人でも内容が分かるように書かれていること」です。
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設計書作成(概要設計書、詳細設計書) 設計書は、実際にシステムを作る人が「どうやって作ればいいのか」が分かるように書かれた文書です。
- 概要設計書:全体の構造や流れをざっくりまとめたもの
- 詳細設計書:細かな処理内容まで具体的に書かれたもの 概要設計だけで開発に進む場合もあれば、より詳細な設計書を別途作るケースもあります。
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製造
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テスト(単体テスト、結合テストetc)
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リリース
以上がざっくりとしたシステム開発フェーズです。
ここまで紹介したのが、システム開発のおおまかな流れです。 そして、SIerがプレイヤーとして担当するのは、以下のフェーズとなります。
① 案件獲得 ② 仕様書作成 ⑥ リリース
一方で、③ 設計、④ 製造、⑤ テストといった実作業については、基本的に業務委託という形で別の会社に依頼します。 ただし、まったく関わらないわけではありません。以下のような「レビュー」の形で関わることが多いです。
設計書レビュー(内容の妥当性確認) 製造レビュー(コードレビューなど) テスト実施レビュー(結果の確認など)
これらの業務はあくまでサポート的なものであり、SIerの主業務ではありません。
技術的な知識は不要なのか?
「仕様書を書くとき、技術が分かっていないと無理なのでは?」という疑問が出てくるかもしれません。 これはその通りで、技術的な判断が必要な場面はあります。
たとえば、「このページの特定の場所にGoogle Mapを埋め込んでほしい」といった要望があったとします。 このとき、それが実現可能かどうかを判断するには、ある程度の技術的な理解が必要です。
その場合は、技術検証を業務委託で専門会社に依頼して確認してもらう、という流れになります。 このように、実作業や技術的な検証は基本的に外部の力を借りて進める仕組みになっています
まとめ
SIerの仕事というのは、言ってしまえば「自社サービスを持たないIT企業の最終形」なのかな、と個人的には思っています。 会社の役割は、次のように段階を経て変わっていったのではないでしょうか。
- 最初は、受託開発(クライアントの依頼でシステムを作る)を中心にやっていた
- 案件の規模が大きくなり、自社だけでは手が回らなくなってくる
- 実際の開発作業はすべて外部に任せ、自社は案件の獲得と管理が主な仕事になる
もちろん、これは一つの見方にすぎませんし、すべてのSIerに当てはまるわけではありません。 ただ、今のSIerの働き方を理解するうえで、こうした視点もあるのかなと思います。
お読みいただき、ありがとうございました!