こんにちは、いずくです。今日は久しぶりにSIerについて語っていこうと思います。
まあ、私のブログなんて読まれているのはほとんどガジェットレビュー系の記事でして、SIer論について読んでくれてる人がどれくらいいるかなんて目を瞑りたくなるくらいなんですが、、、
まあ、私のブログなので書きたいことを書こうと思います。 とはいえ、書きたいことを書くだけでは読者が読む意味なんてないので、この記事のバリュー部分として「具体的にこう立ち回れば仕事ができる(そして搾取されない)ようになる」という実践的なノウハウについても書いております。
1. 憧れていたSE像
皆さんが、システムエンジニア(SE)と聞いて思い浮かべるのはどんな姿でしょうか? 私はやはり、コードをいじって成果物を作成して、お客さんの要望を形にして、運用しやすい形まで落とし込める人、です。
2. SEとして、仕事ができるとは
全てのSIerの現場ではなく、あくまで私がみてきた範囲内の話ですが、評価されるSEというのは、決して「ただ手が動く人」では無いようです。
そうではなく、嫌な言い方をすると、上司にとって便利な人、目立つことをする人、なのだと思います。 システムについて詳しい、ドメイン知識が詳しいというのは物差しの一つであっても、それ単体では評価の対象にはなりません。
勿論、お客さんと1対1で仕事をする場合、自分で手が動くのは大前提でしょう。 お客さん(エンドユーザ)にとっては、自分の要望を聞いてすぐに形にしてくれる人が最高のSEです。 しかし、ことサラリーマンの世界では「自分で手を動かすこと」は、やり方を間違えると搾取の対象となります。
3. 具体的な仕事のコツ
上記でダラダラと思うことを書いていきましたが、ここからは自論を踏まえ、この構造の中でどう振る舞うのが正解なのかを書いていこうと思います。
3.1 評価されるのは「手が動くエース」ではないという残酷な現実
ここで一つ、私が現場で下から見ていて痛感している、SIerにおける残酷なヒエラルキー(評価のされやすさ)をお伝えします。 結論から言うと、以下の順になります。
【開発がめちゃくちゃ強い人】 < 【開発はできないが、上流で顧客折衝ができる人】 < 【両方できる人】
現場でゴリゴリとコードを書き、難しいバグの調査もこなせるエース級のエンジニア。 一見一番評価されそうですが、実はこういう人ほど「都合の良い作業者」として扱われがちです。 なぜなら、その人にしかできない技術的な仕事が次々と降ってきてしまい、そこから抜け出せなくなるからです。 本人は本当は設計からやりたいと思っていても、その時間は与えられません。
3.2 なぜ「変なシステム」が出来上がるのか
その結果、何が起きるか。 開発エースが実務に忙殺されている間に、技術の細かいところは全然知らないけれど、人当たりが良くて調整力がある(つまり、人に仕事を振るのが上手い)人が上流工程の設計や顧客折衝を担当し始めます。 彼らは決して仕事ができないわけではありませんが、技術・ドメイン知識の裏付けが弱いため、結果的に「現場から見ると理不尽で変なシステム」が設計されてしまうのです。
3.3 だからこそ、自ら上流工程に絡みにいく
では、どうすればいいのか。技術を磨くことを否定するつもりはありませんが、一番最強なのは「開発もゴリゴリできる上で、自ら顧客折衝の場(上流工程)に出ていける人」です。
開発にしか興味がないと、一生「上流から降ってきた変な設計」を尻拭いするハメになります。 だからこそ、一見無駄に思えるような会議や顧客との交渉の場が設けられたら、積極的に絡んでいくべきです。「自分からそういう仕事を獲りにいく姿勢」を見せることが、SIerという環境で生き残り、主導権を握るための最大の防衛策なのだと思います。
3.4 スピードのジレンマ:ファーストアクションを起こせ
とにかく、仕事が早い人はしごできです。 ですがこれ、真面目な人ほどできないです。なぜなら、速さと質はトレードオフだから。
上司から「これ、〇〇さんに聞いておいて」と言われた時、真面目な人ほど背景を調べ、完璧な質問を練り上げようとして動き出しが遅れます。 その結果、上司は「もう聞いてくれただろう」と思い込んでいて、今さら「まだ聞けてません」とは死んでも言えない気まずい空気が出来上がります。
私の経験上、100%の準備をして丁寧に聞いても、相手から雑な回答が返ってきて全く進まないこともあれば、 逆に見切り発車で「〇〇ってこういうことですか?」と60%の精度でパッと投げた方が、ポンポンとラリーが続いてあっさり解決することもあります。 だからこそ、悩んで立ち止まる前に、まずは相手にボールを投げる(ファーストアクションを起こす)ことが最重要です。
コラム:「困ったら電話しろ」というアドバイスへの違和感
ただ、ここで「じゃあ早くボールを投げるために、電話を使えばいいのか」というと、私はそれには少し違和感を持っています。 よく上司は「困ったら直接電話しろ」と言いますが、私は電話が苦手です。
なぜなら、電話とチャット(テキスト)では、責任の所在が変わるからです。 電話の場合、発信者が上手く言語化できておらず相手が何を言っているか分かっていなくても、発信者側は「とりあえず話した(ボールを渡した)」という気になれてしまいます。 一方チャットの場合、何が言いたいのか分からないメッセージを送ると、それは完全に「送った側(テキストを書いた側)が悪い」という証拠が残ります。
つまり、電話は「言語化をサボり、相手に理解の負担を強いるツール」になり得るのです。 本当の意味で仕事ができるのは、自分の考えをテキストで簡潔に言語化し、それを60%のスピード感で素早く相手に投げられる人だと私は考えています。
3.5 タスク管理の極意:AI分析のために「Doneリスト」を残す
タスク管理の方法は千差万別で、ツール自体は自分の気分に合わせてどんどん変えていけばいいと私は思っています。 ただ、これからの時代、絶対に意識すべきルールが一つあります。それは 「終わったタスクを消さずに、履歴(Doneリスト)として残しておくこと」です。
お恥ずかしい話、私自身もずっとMarkdownでタスク管理をしているのですが、気づけば「終わったタスクはどんどん行ごと消してしまう」という癖がついていました。 画面上はスッキリするのですが、これだと手元には「未完了のタスク」しか残りません。
しかし今の時代、過去のタスク履歴は生成AIに読み込ませることで、超高精度な「自己分析ツール」に化けます。 自分の強みや仕事の癖、あるいは「他人の尻拭いにどれだけ時間を奪われているか」を客観視するためには、消してしまった「完了済みの履歴」こそが宝の山なのです。
月末に、残しておいた1ヶ月分のMarkdownのログをAIに流し込み、「この履歴から、私が予定より時間をかけすぎているタスクの傾向を分析して」とプロンプトを投げる。 まだ私自身も完璧に習慣化できているわけではないですが、自分が「便利な作業者」に成り下がっていないかを定期的にモニタリングするためにも、この運用はこれからのSEにとって必須の生存戦略になるはずです。
3.6 メリハリをつけること(「残業代という麻薬」からの脱却)
毎日2時間以上(多い時は実質2人日レベルで)残業している典型的な日本労働者の私ですが、やはりメリハリをつけないと仕事の質は下がります。 終電ギリギリまで働き、結果的に睡眠4時間を切る。仕事量をどれだけ増やしても、質は確実に落ちます。
では、なぜそんな働き方をしてしまうのか。最大の理由は「残業代が出るから」です。 会社にもよりますが、残業に上司の承認が不要な環境だと、つい残業してしまいがちです。 残業すればその分、確実にお金がもらえますからね。 新人のうちはそのマインドでも良いのかもしれませんが、そのうち「残業を目一杯しても仕事が終わらない」という最悪のループに入ります。
そしてもう一つ、私が声を大にして言いたいのは、残業の本当の恐ろしさは睡眠不足ではなく「自分のための時間を切り売りしてしまうこと」です。 残業代という目先の数万円のために、本来なら自分の資産を育てるはずだった貴重な夜の数時間を消費してしまっています。 残業代は魅力的ですが、それは自分の時間を会社に定額で買い取られているだけです。
新人時代についた変な癖はなかなか抜けません。自分の人生の主導権を取り戻すためにも、ぜひ「定時で帰る練習」を積んでください。
4. 今後のあり方:SIerを「踏み台」へ
ここまで、一旦自分のキャリアを見つめ直すつもりで色々と書いてきました。 結論として、私はこのまま「便利な作業者」としてSIerの構造に埋もれるつもりはありません。
開発や実装のスキルは自分の強力な武器として研ぎ澄ませつつも、これからは積極的に企画や上流工程に首を突っ込んでいくつもりです。 会社のお金と環境を使って、ビジネスの動かし方や交渉力を実験しながら学んでいく。 そして、残業という麻薬を断ち切り、定時退社で死守した時間と体力をすべて、自分の事業にフルコミットする。
30代に向けて、会社に依存せず自分の足で立ち、圧倒的な成果を出すための大きな目標があります。 そのために、今のSIerという環境は最高の「実験場」であり、最強の「踏み台」になるはずです。
会社に使われるのではなく、会社を戦略的にハックして自分の資産を育てていく。これこそが、私の考える「SIer社員の生存戦略」です。 普段はガジェットレビューばかりの当ブログですが、たまにはこういうリアルで泥臭いキャリア論も書いていこうと思います。 同じように最前線で悩む誰かの参考になれば嬉しいです。



