
SIerで働きながら、ITスキルを身につける方法
投稿日: 2025-06-29 | カテゴリ: 雑談「SIerではITスキルが身につかない」と言われることがあります。 たしかに、調整業務が中心となる環境では、開発経験やインフラ設計のような技術的スキルを直接磨く機会は限られています。
しかし、SIerであっても、意識的な働き方次第で十分にITスキルを身につけることが可能です。
私自身、入社1年目の頃は、AWS SAAの問題集を開いても、全く内容が理解できませんでした。 でも今では、そこに書かれていることが何を意味しているのか、少しずつわかるようになってきました。 (※SAAはまだ取得していないので、早く取らなければいけませんが……)
この記事では、SIerで働きながらITスキルを身につける具体的な方法、逆にスキルが身につきにくい働き方、 そして最後に「スキルがあっても評価されるとは限らない」という現実についても触れます。
SIerで働きながらITスキルを身につける方法
ポイントは、「調整業務だけにとどまらず、自分で考えて動くこと」です。 以下に、私が実際に成長につながったと感じた具体的な例を紹介します。
1. システムの開発方針を“自分で考える”
1次受けSIerで働いていると、開発ベンダーから「方針Aと方針B、どちらにしましょうか?」といった相談を受ける場面があります。 多くの場合は、ベンダーにメリット・デメリットを聞いて、それを上司に報告する——これで業務としては完結します。 しかし、その対応だけではエンジニアとしての視点や判断力は養われません。 重要なのは、まずは自分で方針を検討してみること。 たとえば以下のような基本的な設計方針を踏まえて、自分なりの意見を持っておくと良いです。
- 運用しやすい設計か?
- ユーザーが使いやすい仕様か?
- 保守性・拡張性に問題はないか?
もちろん、システム開発は開発者の担当なので、最終的には彼らの判断に頼ることにはなると思います。 ただ、自分でも調べて考えることで、設計方針や技術の理解が深まり、将来の糧になります。(と私は信じています。)
2. 障害発生時、自分で原因を調査してみる
障害が発生したとき、SIerでは一般的に調査や対応を開発者に依頼します。 しかし、依頼するだけでなく、自分でもログを確認したり、該当機能を触ってみたりして原因を推測することは非常に重要です。
ポイントは、「自分で抱え込まないこと」。 まずは関係者に報告したうえで、その後の時間を使って自分でも仮説を立てて原因を探ってみる。 これはスキル向上の大きなチャンスです。 担当しているのが業務システムの場合、システムだけでなく業務にも詳しくなるチャンスです。
仮に自分の推測が間違っていたとしても、最終的に開発者が出した答えと照らし合わせて“答え合わせ”をすることで、知識が定着しやすくなります。
ITスキルを身につけても、必ずしも評価されるわけではない
ここまで「どうすればITスキルを身につけられるか」について述べてきましたが、 残念ながら、SIerの評価軸は必ずしも“技術力”ではありません。
むしろ、SIerでは以下のようなスキルの方が評価されやすい傾向があります。
- 複数案件を同時に進めるマルチタスク能力
- スケジュールやリスクを管理するプロジェクト管理力
- 顧客や関係者との調整力
つまり、「システムに詳しくなる」ことは、評価に直結するとは限らないのです。 私自身、1つの案件を自分で技術的にこなせるようになるよりも、複数案件を管理できる力の方が評価されていると感じています。
結局、どちらを目指すべきか?
技術を極めるか、管理能力を磨くか——これは悩ましい問いです。
- 技術を突き詰めれば、転職市場での価値は高まりますし、手に職が付く
- 管理力を磨けば、社内での昇進やポジションの向上につながる可能性がある
私はまだ明確な答えを出せていませんが、どちらかと言えば技術を磨くことを優先して仕事に取り組んでいます。 理由は単純で、私自身技術に詳しい人になりたいからです。
それに、技術に詳しくなる勉強ができるのは若者の特権だと思っています。 マネジメント力を磨くのを捨てたわけではありませんが、自分で手を動かせない人にはならないでいようと思います。
まとめ
SIerで働きながらでも、ITスキルは身につけられます。 大切なのは、「受け身にならないこと」「自分でも考えて動くこと」です。
ただし、技術力を伸ばしたからといって、そのまま評価に繋がるとは限りません。 キャリアの中でどんな価値を重視するかを考えながら、バランスよくスキルを磨いていくのが、SIerで働く上では大切なことだと思います。