
調整業務とは
投稿日: 2025-05-06 | カテゴリ: SIer今日はSIerのメイン業務である調整業務について話して行こうと思います。 よくSIerの仕事は調整ばかりと言いますが、具体的に誰と何を調整するのかについて、この記事ではまとめていこうと思います。
SIerの構造について
まず、SIerの基本的な構造を簡単に説明します。 この記事では以下の4つに分けて話を進めます。
- 顧客
- SIer(主にPLとその配下)
- PG(プログラマー。いわゆる2次受け)
- PMO(今回は詳細は割愛)
※3次受け、4次受けとなるとさらに複雑になります。
前提条件
- 開発中の案件に対し、顧客から追加要望があるケース
- SIerのPLとその配下の仕事にフォーカス
(営業・PM・PMO・PGの詳細は省略)
開発中に追加要望をされる場合
- 顧客が営業に要望を伝える
- 営業がPLに以下を確認
- 要望内容
- 実装の可否
- 実装するならスケジュール
- PLがチームに要望を展開
- チームがPGに見積もりを依頼
- PGがチームに見積もりを返す
- チームがPLに結果を報告
- PLが実装可否・時期を判断(必要ならPMに相談)
- PLがPGに開発を依頼し、営業にも報告
- 営業が顧客に伝える
SIerでは役職によって調整相手と内容が違う
ではSIerの案件実施について軽く説明したところで、次に誰がどんな調整作業をするのかについて説明します。
それぞれの立場でどういう調整が必要なのかを記載できれば一番良いのですが、 量が多すぎるため今回はPJのキーマンであるPLの調整業務について記載しようと思います。
図を見てもらったら分かる通り、PLは営業、PM、PG、自分の配下という4つの立場の人とやり取りを行います。(PMOもSIerのPMと関係深いが一旦無視する) そのいった背景もあり、調整内容が非常に多岐に渡ります。例を挙げると以下のようなものがあります。
SIer(PL)⇔SIer(営業) | SIer(PL)⇔SIer(PL以外) | SIer(PL)⇔SIer(PM) | SIer(PL)⇔PG(PL) |
---|---|---|---|
営業から、顧客の追加要望を伝えられる。PLは、開発工数や顧客満足度向上具合によって、案件を取捨選択する。そして決定した事項を営業に伝えて納得してもらう。 | メンバーからPLに対して、渡された仕事が、ある課題のため期日通り終わらない旨の相談される。PLは他のメンバーをアサインしたりして期日通り終わるように調整するか、仕事依頼元にその旨を説明して先延ばしできないか調整する。 | PLからPMに対してPGの人員が何人月足りないため、追加で稟議をあげて予算を確保できないか調整。 | PGからSIerに対して、見積りから遅延しているため、開発が遅れる旨を告げられる。これにより、SIerは営業にその旨の説明or人員増加の調整が求められる。 |
上記記載したのは、PLの調整業務のほんの一部であり、実際はもっと多くの調整作業が必要となります。
まとめ
今回は、SIerにおける重要な業務のひとつである「調整業務」についてまとめました。
ただし、私自身はまだPLではなく、その配下の立場で仕事をしています。そのため、日々の業務では調整を「する側」ではなく、「依頼する側」として関わることが多いです。
PLのように関係各所と調整を重ねる“政治的な”苦労はまだ少ないものの、プレイヤーとしては別の悩みがあります。それは「終わらない仕事」との戦いです。追加の作業や仕様変更によって工数が膨れ上がり、どうすれば期限内に終えられるか、日々頭を悩ませる場面が多くあります。
調整も実装も、どちらも現場を回す上では欠かせない重要な仕事です。今後、より上流の業務に携わる機会があれば、今回整理した内容を活かしていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました!